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品質マネジメントシステム(QMS)規格 ISO9001:2008

ISO9001:2008(品質マネジメントシステム規格)

ISO9000シリーズは、国際標準化機構(ISO)から発行された品質マネジメントシステムの規格です。国際標準化機構は、スイスのジュネーブに本部を置く世界132ヶ国の規格機関の連合体であり、日本ではJISC(日本工業標準調査会)が、アメリカではANSI(米国規格協会)がメンバーとして参加しています。

ISO9000シリーズ品質マネジメント規格は、特定の製品やサービス自体を対象としているのではなく、それらの製品やサービスを作り出すプロセスに適用されるものです。この規格は一般的に幅広く適用でき、世界中の製造及びサービス産業で利用可能なようにデザインされています。1987年に初版が発行された後、1994年の部分改正を経て、2000年版として抜本的な改正が行われました。2008年にも、要求事項をより明確にする改正が行われています。

ISO9000シリーズの成り立ち

ISO9000シリーズは、それに先立つさまざまな品質規格--イギリスのBS5750、DEF STAN 05-08、NATO AQAP1、及びアメリカ国防省のMIL-Q-9858A--をもとに作られています。ISO9000開発の目的は、世界共通の品質基準を設定することにより、国家間にまたがる製品やサービスの交易を容易にすることです。

ISO国際規格はBS5750をルーツとして作成され、1987年に初めて発行されました。先進国のほとんどは、ISO9000シリーズの内容に沿って直ちに国内版規格を作成し直しました。国際規格の内容に沿ったこれらの国内版規格には、米国のANSI及びASQ(米国品質協会)が発行しているANSI/ISO/ASQ Q9000、欧州連合のEN29000などがあります。

ISO9000シリーズは、あるプロセスから得られるアウトプットの品質を確実にするシステムを確立し、文書化し、維持することを目的としています。ISO9000シリーズは謎めいたものでも、難解なものでもなく、むしろ常識的で一般に知られた規範が体系化されて並べられたものです。

ISO9000シリーズの2008年版に適合する品質システムを実施することにより、企業/組織は数々の恩恵を受けます。ISO9000シリーズを指針として、製品やサービスの品質を高め、膨大な検査費用や補償コスト、手直し作業を削減することができるのです。

これらの国際規格はEU諸国の15ヶ国から支持を受け、1990年代後半にはヨーロッパ諸国でビジネスを営む事実上の必要条件となりました。

ISO9001:2008への審査登録

ISO9001:2008に審査登録する企業/組織は、品質に取り組んでいることを確実に示せるだけでなく、その取り組みを世界のどの国でも理解し、受け入れてもらうことができます。また、ISO9001:2008に登録しているほぼすべての企業/組織が、コストの削減のみならず、顧客からの支持を大幅に高めることにも成功しています。米国では、すでに多くの企業/組織が、主要顧客から品質システムの適用を義務づけられていますが、そのような企業/組織では、製造工程中心の品質システムでは見逃されがちな製造工程以外の部門において、最も顕著にISO9001:2008登録の効果が現れています。

ISO9001:2008への登録は、認定を受けた審査登録機関によって行われます。審査登録機関は、事業所の品質マニュアル等の文書が規格を満たしているかを調査し、その後、文書で説明されているシステムが実在し、効果を発揮しているかについて、企業/組織のプロセスを監査します。登録後も、審査登録機関は定期的に事業所のサーベイランス審査を行い、事業所の品質システムが引き続き規格の要求事項を満たしているかを判断します。

ISO9001:2008への登録プロセスは、通常6ヶ月から18ヶ月要します。登録を希望される企業/組織の方は、お早めに準備を始められることをお勧めします。

登録完了までの主なステップ

企業/組織が登録を目指して監査を受けるためには、事前にいくつかの段階を踏む必要があります。

  1. 第1ステップとして、ISO9001:2008の要求事項を満たす品質システムを構築し、実施します。
  2. 品質システムの中核は品質マニュアルの策定です。品質マニュアルは、事業所の品質に関する方針や手順、実際の作業を規定するもので、登録プロセスで非常に大切な役割を果たします。品質マニュアルは監査中に使用される最も重要な文書であるため、事業所の品質システムを事実どおりに映し出すものでなくてはなりません。また、マニュアルではISO9001:2008の要求事項ひとつひとつに取り組む必要があります。
  3. 事業所の品質システムは、監査前に少なくとも3ヶ月から6ヶ月は運用されていなければなりません。この期間に、従業員がシステムに慣れ、監査時に監査員が証拠として確認できるような文書・記録類が作成されます。

これらの事前ステップが首尾よく完了すると、次は認定された審査登録機関に監査を依頼する必要があります。審査登録機関は、企業/組織の品質システムが適切に実施され、ISO9001:2008やその他適用される要求事項に適合しているか、検証を行います。

審査登録機関の監査を受けることが決まると、公式の申込書を提出しなければなりません。書類をすべて提出すると、審査登録機関は事業所の品質マニュアルを監査します。マニュアルが企業/組織の品質システムを十分反映し、ISO9001:2008の要求事項をすべて満たしていることを審査登録機関が検証すると、次に事業所の実地監査が計画されます。

監査中、審査登録機関は従業員と面談し、記録を確認し、事業所の品質システムや手順をつぶさに検査します。監査の目的は、事業所の品質システムが適切に機能し、ISO9001:2008の要求事項をすべて満たしていることを確認することです。

その後、審査登録機関は監査報告書で所見を報告します。重大または軽微な不適合が見つかった場合は、組織(あるいは被監査者)は不適合の原因を修正する是正処置をとる必要があります。不適合は、審査登録機関が設定した時間の枠内で修正されなければなりません。審査登録機関が顕著な不適合の解消を確認したのちに、登録証が発行されます。

登録を果たした後も、その企業/組織が引き続きISO9001:2008の要求事項に従っていることを確認するため、審査登録機関は実地のサーベイランス監査を年1~2回実施します。

ISO9000シリーズの利点

ISO9000シリーズは品質に真摯に取り組む事業所にとって、理想的な品質システムです。ISO9001:2008に登録すると、競争上の優位性を獲得することができます。

ISO9000シリーズ品質システムを運用する事業所には、

  • ミスの検出よりむしろ予防を目指す
  • プロセスの要所について継続的に見直す
  • 是正処置を行って成果を得る
  • プロセス相互間、事業所・供給者・顧客間で一貫したコミュニケーションをとる
  • 記録をきちんととる
  • 重要文書を効果的に管理する
  • 従業員全員が品質について認識する
  • 品質システムに対し経営陣が信頼をおき支持する

などの特質が現れてきます。

このような特質によって、品質コストの管理、生産性の向上、無駄の削減が実現します。ISO9000シリーズの品質システムを上手に設計し実施すれば、無駄がなく、顧客のニーズによく対応し、反応がすばやく、効率的かつ市場の最先端に立つプロセスを創出することができます。

企業/組織にとってISO9001:2008への適合を選択することは、マネジメントが十分な情報を有した上で正当な決定を下すような、一流システムを運営していくことを意味するのです。