公益法人制度改革対応セミナー(リニューアル版)
日時:2010年4月9日
会場:ペリージョンソン コンサルティング 株式会社
東京本社セミナールーム(東京都渋谷区)
PJC東京本社で開催した、公益法人制度改革対応セミナー(リニューアル版)のリポートです。新しい公益法人制度がスタートして1年数カ月が経ち、公益認定申請に対する答申も本格化してきました。4月1日現在で出された答申は、公益(移行)認定が253件に上ります。と同時に、これらの答申から「公益とは何か」が少しずつ見えてきました。今回のセミナーでは、これらの答申をベースにPJCの分析を加味して、公益法人制度改革が目指す真の方向性をご説明しました。
PJCでは、公益法人制度改革に伴う、無料セミナーを全国規模で開催してきておりますが、これまでは、新制度の考え方や内容の解説など、制度そのものの説明が中心でした。しかし、新制度がスタートして、1年数カ月を経過し、申請に対する行政庁からの答申も本格化しています。これらの答申の内容を分析すると、「公益」に対する行政庁の考え方が、少しずつ明らかになってきました。今回のセミナーは、これらの答申を通じて見えてきた「公益性の判断基準」をベースに、PJCの分析を踏まえて、「法人にとって経営的視点・戦略的申請とは何か」をお伝えすることを狙いに、従来の公益法人制度改革セミナーのリニューアル版として、開催しました。
新しい公益法人制度は、平成20年12月にスタートしました。これまでは、制度への周知が進んでいなかったこともあり、様子見の法人様も少なくありませんでしたが、1年以上を経過し、申請法人も徐々に増えてきました。
今年4月1日現在で、出された申請の内容を分析すると、公益(移行)認定申請が478件で、そのうち公益(移行)認定の答申が出されたのが253件に達しました。一方、公益(移行)不認定も1件ありました。一般移行認可への申請は、127件で、このうち66件について認可の答申が出ています。
ここで特筆されるのは、公益(移行)認定への答申件数です。昨年12月末時点での答申件数は、約100件でしたから、今年に入って約3カ月で、昨年1年間の実績を上回る約150件の公益(移行)認定答申が出されたことになります。これは、単に申請数が増えたことだけではなく、行政庁側も、今後急速に増大することが見込まれる申請に対応するための体制が整ってきた証といえます。
同時に、これらの答申から、公益法人制度改革の核心が少しずつ明らかになってきました。特に注目すべきは、行政庁が考える「公益」とは何かという点です。
当初、有識者の中には、公益に移行できる法人は、1割程度といった厳しい見解を述べる人もいましたが、これまでの答申の結果を分析すると、必ずしもそれほど「狭き門」ではない、むしろ考えられていたより、「ストライクゾーンは広い」のではないかということです。

公益認定の答申を受けた法人を見ると、獣医師会、ビルメンテナンス協会、鍼灸マッサージ師会、木材産業振興協会など、容易に一般大衆公益がイメージしにくい法人にも、答申が出されています。
これらの法人の公表された答申書から読み取れることは、いずれも公益目的事業に、今回の改革の主眼である「『不特定かつ多数の者』の『利益』に『寄与する事業』」が、的確に盛り込んであることと公益目的事業に取り組む強い意志が示されていることです。
今回の公益法人制度改革は、公益法人の不祥事や公務員の再就職の受け皿といった批判に対処するための改革ではありません。今後急速に人口減少が顕在化するわが国において、「民による民のための公益」、すなわち寄附文化の醸成が最大の狙いです。
答申の「入口が広い」と受け止められる背景には、公益法人制度改革によって、より多くの公益法人に一般大衆の公益を担う社会の礎を築いてもらおうとする意図が強く働いていると考えることもできます。
しかし、公益法人の答申を受けることと、法人を維持することとは別の次元の問題です。
新しい一般法人法の根幹は、会社法によるものだからです。財団・社団法人も民間企業と同等の経営原則が適用されるため、株式会社と同程度の自律的なガバナンスを確立することが求められます。また、監事の責任が大きくなるほか、役員にも個人リスクが存在することを認識する必要があります。このため、法人の運営を経営的視点から捉える必要があります。
したがって、公益認定の答申を受けたからといって、長期にわたってこれを維持することは容易ではありません。内部統治(ガバナンス)・内部統制が十分機能しない法人には、認定・認可取消しのリスクが発生することを否定できません。
これらを総合して、PJCでは公益法人認定申請に当たっては「戦略的申請」が必要だと考えます。「法人の公益的な活動が時代を超えて社会から評価され続けるか」、「公益性の解釈の変化に対応できる体制が整っているか」、「法人の内部統治(ガバナンス)・内部統制が、これから来る本格的な訴訟社会に対応しているか」などの点に留意して、事業内容・機関設計・運営組織を再構築することが重要となってきます。
PJCでは、会社の内部統治(ガバナンス)・内部統制などの企業向けのコンサルティングで培ったノウハウを活かして、法人様に最適な事業目的、機関設計、運営組織の構築のご提案を行っております。公益認定を目指す多くの法人様が新しい時代の公益を担う主体として活動できるようバックアップしていきます。
※答申件数データは、2010年4月1日時点で公益認定等委員会公表分を集計したものです。
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