公益法人制度改革は、一般法人法等の新しい法律ができたことからも分かるように、従来の制度の変更ではなく、新しい法人に生まれ変わることを求めています。
公益認定の基本的な4つの要件/一般法人の重要な4つの要件
公益認定の基本的な4つの要件
- 公益目的事業を行うことを目的とし、実態として行っていることを証明する
- 一定の財務・会計処理、適正開示を行う意思・能力があることを証明する
- 自ら当該事業を行い目的を達成するための技術的能力があることを証明する
- 特定の個人及び関係法人の利益目的の法人ではないことを証明する
一般法人の重要な4つの要件
- 収益基盤が安定している
- 実態が一般法人法に適合するように整備・運用できる
- 公益目的支出計画を作成する場合、公益法人と同等・同質の法人運営が実施できる
- 税務当局との対応に備えられる
公益法人・一般法人(非営利型)のメリット・デメリット
| | 公益法人 | 一般法人(非営利型) |
| メリット |
ブランド力(=競争力)
34の収益事業非課税
みなし寄附金制度の活用
各種優遇税制
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事業の自由度
公益目的支出計画の採用可
公益目的事業は非課税
行政庁の監督対象外
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| デメリット |
公益認定基準の維持の負担
事業に対する制約
会計処理の煩雑さ
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ブランド力の低下
区分経理と税負担の増加
税務署との対応
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申請までのフロー
申請には戦略、いわゆる「構想設計」が必要
移行申請のポイント 公益認定申請 一般移行認可
- 機関設計が重要。役員への周知は必須。特に監事はポイント。
- 内部統治(ガバナンス)と内部統制は必須条件であり、規模の大小に関係はない。内部統制は、これまで問題がなかったことを証明するのではなく、問題ない仕組みを持っていることを証明すること。
- 認定・認可の取消しの可能性が常にあるため、行政庁の立入検査に耐えうる法人組織の構築及び「体制と態勢」作りが必要。
公益認定の申請は、事業そのものを分析することから始まる。 公益認定申請
- 公益認定は維持することを念頭に申請することが大事。
- 覊束裁量なので、一定の要件を満たしていれば認定は受けられる。
- 公益目的事業の事業計画、収支予算、収支相償には、力量、ノウハウとマンパワーが必要。定款との連携や規程類との整合性が必要。
- 公益認定申請の1年前からの取組みが必要。
公益目的支出計画を作成する場合、公益法人と同様の監督を受ける。 一般移行認可
- 一般法人に移行すると行政庁による監督の制約がなくなるという考え方は捨てる。
- 一般法人に移行するには安定した収益基盤が必要。
- 公益目的支出計画を作成することは、公益目的事業を行うこと。公益法人と同等・同質の活動が求められる。
認定(認可)取消しについて
新法人の最大の心配事は、公益認定または一般移行認可が取り消されて、公益目的取得財産を贈与しなければならないことです。どうしたら財産を守れるでしょうか。
認定(認可)取消しまでのフロー
公益認定と認定取消し
申請書の作成は、公益認定の始まりでしかありません。
公益認定には、認定申請審査と認定維持審査の2つの視点が必要です。
認定申請が認められない場合
- 事業に公益性がない
- 公益目的事業比率が50/100以上ではない
- 認定基準に適合していない
- 定款・添付書類等の内容が要件を満たしていない
認定維持が認められない場合
- 認定基準に適合していない
- 法令違反・定款違反等がある
- 報告書類等に虚偽記載がある
一般法人にも存在する認可取消し
法令違反、定款違反、不実記載は認可取消しの事由。
一般社団法人・一般財団法人に移行すると、一般法人法の適用を受けるため、内部統治(ガバナンス)・内部統制の「体制と態勢」は必須条件です。
立入検査に耐えうる「体制と態勢」とは何か
- 定款・事業計画書・収支予算書・事業報告・決算報告書等関係書類に偽りがないこと。
- 書式・書面を整えることではなく、事業の実態があること。
- 個々の認定(認可)要件に対する要件定義が明確にされ、周知されていること。
- 運営規程・マニュアル・記録・エビデンスが整備され、活動が適正に行われていること。
公益法人制度改革における役員の責任と個人リスク
新法人に求められている運営の基本ルール
新しい制度では、名前だけの理事等は認められず、理事、評議員、監事がその職を全うすることが求められます。機関決定のみならず、職務分掌規程、職務権限規程等を定め、運営における執行、監督、監査を行うとともに、内部統治(ガバナンス)、内部統制、適正開示について適切な役割を果たす必要があります。
- 求められる役員が主役の法人運営。
- 役員には個人リスクが存在し、連帯責任が基本。
- 内部統治(ガバナンス)・内部統制が法人運営の要。
- 監事には、内部統治(ガバナンス)監査、業務監査も求められる。
- 役員就任依頼時に「説明責任」を果たさなければ大きなリスクとなる可能性がある。
法化社会における役員の個人リスクと内部統制
Q1.
ある法人において会計不祥事が発生し、大きな損失が発生しました。その後、法人の理事に対して責任追及の訴訟が起こされました。各役員は法人と委任関係にある立場の理事として、「相当の注意を払っていた」と5W1Hで合理的に説明できる仕組みを持っていますか。
Q2.
公益目的事業として美術館を運営している財団があり、その美術館がある地域で大きな地震が発生しました。休日の昼間だったため、多くの死傷者が出てしまいました。後日、遺族から、死傷者の発生は、美術館を運営する法人の管理怠慢の結果であると訴訟が起こされました。美術館を運営する法人の役員は、施設の安全管理や被災者の保護に問題がなかったと、一般に公正妥当とみなされる説明を行い、その責任を果たし得る仕組みを持っていますか。
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新しい内部管理の仕組み(内部統制)が求められている。
【一般法人法施行規則 第14条
(理事会設置一般社団法人の業務の適正を確保するための体制)、第62条】
- 理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
- 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
- 理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
- 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
- 監事がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
- 前号の使用人の理事からの独立性に関する事項
- 理事及び使用人が監事に報告をするための体制その他の監事への報告に関する体制
- その他監事の監査が実効的に行われることを確保するための体制
役員の重要な役割は内部統制の整備と運用
法人の役員が適切な内容の内部統制システムを構築し、当該システムに基づいて監督を行っていた場合には、個別具体的な違法行為を探知できなかったとしても、原則として、監督義務は尽くされたと判断されます。
内部統制とは
内部統制とは目的を達成するために、法人と委任契約関係にある役員が、その役割に応じて、執行・監督・監査を行うことで、法人の内部統治(ガバナンス)を含めた公益三法を遵守した法人の「体勢と態勢」を確保するための仕組み(プロセス)です。
「新・GCD3原則運営」と内部統制システム
- G = ガバナンス
- C = コンプライアンス
- D = ディスクロージャー
健全な内部統制システムによって組織全体に浸透させる。
「新・GCD3原則運営」とは、従来の価値観の範疇にあるガバナンス、コンプライアンス、ディスクロージャーではなく、法化社会によってその意味を変えたGCDによって運営を行うことです。
「新・GCD3原則運営」は公益法人に新しい価値観を与え、価値の向上に貢献します。
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